地域看護の重要性について

地域看護とは個人単位ではなく地域に住む老若男女、集団や組織など地域全体の健康増進のために支援を行う看護のことを言います。地域看護の背景にあるのが、いま問題視されている少子高齢化社会と医師や病床数の不足などです。近い将来、日本人の3人に1人が65歳以上の高齢者になると予測されています。また、生活習慣病などが増加していることから、今後ますます病床数が不足していくと考えられます。これらの対策として、いま注目されているのが地域看護です。
地域看護の一つに訪問看護があります。病気の急性期は病院での治療が必要不可欠です。その後は完治するまで病院で過ごすのではなく、急性期を過ぎた患者さんが住み慣れた自宅などで療養やリハビリテーションを行えるように、ケアや生活支援を行うことが訪問看護の役割です。
加速する少子高齢化や病床数不足対策のためにも、近い将来、訪問看護のニーズがますます高まってくることが予測されます。それにより、厚生労働省も訪問看護の推進に力を入れているのが現状です。具体的には、訪問看護の実施拠点である訪問看護ステーションの整備支援、訪問看護師や訪問保健師などの専門スタッフの育成などに取り組んでいます。自治体のなかにも独自の福祉事業を計画し、訪問看護の研修支援を実施している都道府県もあります。
集団や組織のニーズを叶える地域看護を普及させるためには、地域看護の仕組み作りやスタッフの育成プランを確立していくことが大切と言えます。加えて、地域で生活する個人や集団も積極的に医療機関と関わることが求められているのです。